こんにちは、くろしろです。
今回紹介するのは、『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』8巻です。
8巻では、ラースが優秀な秘書官・クロエを自分の側へ迎えるために動きます。
一方、第2夫人ニーナがラースへ接近。
最初は目立った問題を起こしていなかったニーナですが、その内側にはラースへ向けた危険な執着が隠されていました。
人材を獲得するために交渉するラースと、自分の感情だけで周囲を巻き込んでいくニーナ。
2人の違いが分かりやすく描かれた巻です。
この記事では、8巻のあらすじや見どころ、実際に読んだ感想を紹介します。
※物語の展開に触れるため、軽いネタバレを含みます。
Table of Contents
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』8巻のあらすじ
ラースは、優れた能力を持つ秘書官・クロエを自分の側へ迎えたいと考えます。
しかし、クロエには病気を患っている弟・ルーカスがいました。
そこでラースは、ルーカスの病気を治すと約束します。
ラースが治療についてゼフォンへ相談したことで、投獄されている名医・バザロフに再び協力を求めることになりました。
バザロフの治療によって、ルーカスは無事に回復。
ラースは治療の対価として、自分の髪の毛をバザロフへ渡します。
一方、第2夫人ニーナがラースへ近づき始めます。
ゼフォンは、ニーナを故国へ返還することも考え、ラースへ意見を求めます。
しかし、その時点でニーナによる明確な実害はありません。
ラースは、すぐに処分するのではなく、しばらく様子を見ることを選びます。
ところが後日、ニーナに食事へ誘われたラースは、そこで予想外の光景を目にするのでした。
優秀な秘書官・クロエを獲得するラース

8巻前半の中心となるのが、クロエの獲得です。
ラースは、クロエが秘書官として優れた能力を持っていることを見抜いていました。
優秀な人材を自分の側へ置きたいと考えますが、権力だけで無理やり従わせようとはしません。
クロエが抱えている最大の問題は、弟・ルーカスの病気でした。
そこでラースは、ルーカスの治療を成功させることで、クロエから信頼を得ようとします。
相手が何を必要としているのかを見抜き、その問題を解決したうえで協力を求める。
ラースらしい人材獲得の方法です。
その後、クロエは自分の能力を早速発揮します。
後半で起こる事件でも、周囲の異変に気づいて行動しており、ラースがクロエを欲しがった理由が分かる展開になっていました。
投獄中の名医・バザロフへ治療を依頼
ルーカスを治療するため、ラースはゼフォンへ相談します。
そこで再び関わることになったのが、投獄中の名医・バザロフです。
バザロフは優れた技術と知識を持っていますが、ラースにとって気軽に頼れる相手ではありません。
それでも、ルーカスの病気を治し、クロエを獲得するためには、バザロフの力が必要でした。
結果として、ルーカスの治療は無事に成功します。
そしてラースは、治療の対価として自分の髪の毛をバザロフへ渡しました。
ラースは、バザロフにとって非常に興味深い存在です。
そのため、自分自身の一部を研究材料として渡すことが、交渉の条件として成立します。
ラースは自分の価値を理解したうえで、必要な人物を動かしています。
単純に命令するのではなく、相手にも利益がある条件を提示するところに、ラースの交渉力が表れていました。
第2夫人ニーナがラースへ接近

クロエを獲得したラースへ、今度は第2夫人ニーナが接近します。
ゼフォンは、夫人たちを故国へ返還することも考えており、ニーナを先に帰すべきかラースへ尋ねます。
しかし、その時点でニーナは明確な問題を起こしていません。
ラースは、
実害はないため、しばらく様子を見ます
と判断します。
疑わしいというだけで、何もしていない相手を処分しない。
冷酷に見えるラースですが、感情だけで人を裁く人物ではありません。
相手が何をしたのか、どの程度の危険があるのかを確認してから判断します。
ただし、ニーナの内側にある感情は、ラースが考えていた以上に危険なものでした。
この様子見の判断が、後に大きな事件へつながります。
姿を消した第3夫人サシャ
ニーナから食事へ誘われたラース。
誘いを受けて向かった先には、拘束された第3夫人サシャがいました。
サシャの姿は、前日から見えなくなっていました。
その異変に気づいたのが、新たにラースの側へ加わったクロエです。
クロエはサシャがいないことを不審に思い、ゼフォンへ相談します。
報告を受けたゼフォンは、すぐにニーナの仕業である可能性へ気づきました。
そして迷うことなく兵を向かわせます。
クロエが異変を見逃さず、ゼフォンへ直接報告したことで、深刻な事態になる前に対応できました。
クロエの観察力と行動力が発揮された場面です。
優秀な人物を先に味方へ迎えていたラースの判断が、結果として自分とサシャを救うことにつながりました。
ニーナがサシャを狙った理由

ニーナがサシャを狙った理由は、ラースにとって自分が一番の存在になりたかったからです。
ニーナはラースと仲良くなりたいと考えていました。
しかし、その感情は相手を尊重する友情ではありません。
ラースと親しくしている人物を排除し、自分だけを見てもらおうとする危険な執着です。
一方、サシャは前世のラースに対して優しく接してくれた人物でした。
投獄され、苦しんでいたラースへ優しい言葉をかけ、痛みを少しでも和らげようとしてくれました。
サシャにとっては、何気ない行動だったのかもしれません。
しかし、敵意や悪意に囲まれていたラースにとって、その優しさは忘れられないものでした。
そのため、ラースは今世ではサシャと仲良くしたいと考えています。
前世で受けた恩を忘れず、今世で返そうとする点は、シングを従者として連れ出した時と同じです。
悪女として復讐を進めているラースですが、自分に優しくしてくれた人物を大切にする本質は変わっていません。
ラースが思い出した前世のニーナ
ニーナの話を聞いているうちに、ラースは前世で彼女から受けた仕打ちを思い出します。
前世でも、ニーナはラースと親しくなろうと一方的に迫っていました。
しかし、ラースがその申し出を断ると、ニーナの態度は大きく変わります。
ニーナは投獄されていたラースのもとを繰り返し訪れ、残酷な行為を続けるようになりました。
好意を受け入れてもらえなかったことで、感情が執着と加害へ変わったのです。
ニーナにとって重要なのは、ラース本人の気持ちではありません。
自分がラースの一番になれるかどうかだけです。
サシャを狙った理由を聞いたことで、ラースは前世のニーナも同じ危険な考えを持っていたことに気づきます。
ニーナから向けられている感情が、友情や好意ではないことが明らかになる場面でした。
デレたと思わせるゼフォン
ニーナの事件は、ゼフォンが兵を向かわせたことで最悪の結果を避けられました。
事件が収まった後、ラースはゼフォンと会食します。
そこでゼフォンは、
「お前の顔が見たくなった」

と、ラースを意識していることが分かる言葉を口にします。
普段のゼフォンからは想像しにくい、かなり素直な言葉です。
ついにゼフォンがラースへデレたのかと思いました。
ところが、その直後にゼフォンが尋ねたのは、
ラースが持っている「次に役立つ情報」についてです。
甘い雰囲気になりそうで、完全にはならない。
ラースの能力を高く評価し、次の成果も期待しているゼフォンらしい会話でした。
そしてラースは、前世の記憶を利用した新たな計画を考え始めます。
その内容はこの時点では明確にされません。
8巻は、新たな計画が次巻のブリュト王国編へつながることを示して終わります。
8巻を読んだ感想
8巻では、ラースが誰を味方にし、誰を危険人物と判断するのかが分かりやすく描かれていました。
クロエに対しては、弟ルーカスの治療という明確な対価を用意します。
バザロフに対しても、命令だけではなく、自分の髪の毛を渡すことで協力を得ています。
ラースは、相手の能力だけを利用して使い捨てる人物ではありません。
必要な人物には、その人物が求めるものを与えたうえで力を借ります。
ラース自身が家族から一方的に利用され続けたからこそ、相手との取引では対価を重視しているようにも感じました。
一方、ニーナはラースの気持ちを考えません。
自分が一番になりたいという理由だけで、ラースが大切にしているサシャを排除しようとします。
相手を尊重して協力関係を築くラースと、自分の感情を押しつけるニーナ。
2人の違いがはっきり表れています。
また、クロエがサシャの不在に気づき、ゼフォンへ報告したことも重要です。
ラースが優秀な人材を獲得した結果が、同じ巻の中ですぐに示されました。
そして最後のゼフォンとの会食では、重かった後半の空気が少し和らぎます。
ラースの顔が見たかったと口にしながら、すぐに次の有用な情報を求める。
素直なのか実務的なのか分からないゼフォンの態度が面白く、2人らしい距離感を楽しめました。私の感覚では内容の面白さがあり、恋愛ましましではないので楽しく見れてます。
まとめ
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』8巻では、ラースが優秀な秘書官・クロエを獲得する一方、第2夫人ニーナの危険な執着が明らかになります。
8巻の主な見どころは次のとおりです。
- クロエの弟・ルーカスの治療
- 投獄中のバザロフとの交渉
- 対価として自分の髪を渡すラース
- 第2夫人ニーナの接近
- 姿を消した第3夫人サシャ
- クロエの観察力と行動力
- ニーナがラースへ向ける歪んだ執着
- 前世でもラースを助けたサシャの優しさ
- ラースが思い出した前世の出来事
- ゼフォンとの会食
- 前世の記憶を利用した新たな計画
クロエやサシャのように、能力や優しさを持つ人物を大切にするラース。
一方で、自分の感情を一方的に押しつけるニーナには、厳しい判断を下すことになります。
ラースが受けた恩を忘れない人物であることと、ニーナの危険な執着が描かれた8巻でした。
次巻では、ラースが前世の記憶を利用して何を始めるのか。
ゼフォンとラースの関係とともに、新たな計画の行方も気になります。
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