こんにちは、くろしろです。
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』9巻が8/23に発売されました。
前巻では、第二夫人・ニーナの行動によって、シャリオルトとブリュト王国の関係が大きく揺らぐきっかけになります。
皇妃殺害未遂や脅迫、さらに他国の姫を害した疑いまである以上、ニーナの故郷であるブリュト王国が滅ぼされても文句を言えない状況です。
そんな緊張感のある状態で、ラースたちはブリュト王国を訪れます。
今回の9巻では、ラースが前世の記憶と交渉力を使い、武力とは異なる方法でシャリオルトに利益をもたらします。
この記事では、9巻のあらすじや見どころ、実際に読んだ感想を、重要なネタバレをできるだけ避けながら紹介します。
※物語の展開に触れるため、軽いネタバレを含みます。
Table of Contents
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』9巻のあらすじ
ゼフォンから優しくされ、以前よりも特別な存在として扱われるようになったラース。
その変化をラース自身も感じ取っています。
ゼフォンの態度に恥じらいながらも、決してうぬぼれてはいけないと自分を律します。
私はこの場面も好きです。通常であれば甘々な展開に行きそうですが中々そのような展開にならないのもこの作品を飽きずに9巻まで見続けれてる要因だと思います。
そしてラースは、
「自分はあの人の炎でなければならない」
と、ゼフォンの隣に立つ皇妃としての役割を改めて意識するのでした。
そんな中、ラースたちはニーナの故郷であるブリュト王国を訪れます。

ニーナの行動は、本人だけではなく国全体の存亡に関わるほど重大なものです。
ブリュト王国側も、シャリオルトに攻撃の大義名分を与えてしまったことを理解しており、国を滅ぼされるのではないかと戦々恐々としていました。
しかし、ラースはブリュト王国を単純に滅ぼそうとはしません。
前世の記憶から、ブリュト王国にある港の価値を思い出したのです。
ラースは国を滅ぼさない代わりとして、その港と周辺の領海をシャリオルトへ渡すよう要求します。
ところが、実際の港は荒れ果て、感染症まで広がっている状態でした。
まともに利用できる港とはいえず、ブリュト王国側から見れば価値の低い土地です。
それでも、ラースにはある考えがありました。
9巻の見どころ
ゼフォンの優しさを意識するラース

9巻では、ラースとゼフォンの関係が少しずつ変化していることが伝わってきます。
ラースはゼフォンから特別に扱われていることに気づき、恥じらうような反応を見せます。
これまでのラースは、家族から愛されることも、誰かに大切にされることもほとんどありませんでした。
そのため、ゼフォンの優しさを素直に受け入れられない部分もあります。
それでも、ゼフォンの隣に立つ存在として役に立ちたいという気持ちは強くなっています。
ただ守られるのではなく、自分の能力を使ってゼフォンを支えようとするところがラースらしいです。
ブリュト王国を滅ぼさずに利益を得る
ニーナの行動を考えれば、ゼフォンがブリュト王国へ攻撃を仕掛けても不思議ではありません。
実際、ブリュト王国側も国の滅亡を覚悟しています。
しかし、ラースが求めたのは直接的な報復ではありませんでした。
前世の記憶を利用し、現在は価値がないと思われている港と領海を要求します。
相手の立場からすれば、利用できない港を差し出すだけで国を守れるのであれば、断りにくい条件です。
一方、ラースはその港が将来的に大きな利益を生み出すことを知っています。
力で奪うだけではなく、相手が受け入れざるを得ない条件を提示する。
今回もラースの交渉力と判断力が発揮されました。
荒れ果てた港と流行り病

ラースが手に入れようとした港は、決してすぐに利用できる場所ではありません。
周辺では感染症が広がり、港としての機能も失われていました。
さらに、ラースが現地を調査する中で命を狙われる事件まで発生します。
それでもラースは動じません。
襲撃者を難なく退けたうえで、ただ罰するのではなく、許す代わりに必要な情報を出すよう要求します。
ここでも感情的に相手を処刑するのではなく、自分にとって最も利益のある選択をしています。
そして流行り病を解決するため、ラースは過去に登場したある名医と交渉します。
一度登場した人物や、ラース自身の特殊な体質が今回の問題解決につながっていく展開は面白かったです。
前世とは違う形で手に入れたもの

ラースがこの港を求めた理由には、前世の記憶が関係しています。
前世のラースは、家族のわがままによって、港で発見されたものをほんの少ししか手に入れられなかったようです。
しかし、今回は違います。
自分で考え、自分で交渉し、自分の力で価値あるものを確保します。
家族に利用され続けた前世とは異なり、今回はラース自身が成果を手にすることができました。
そのためか、いつもより少し嬉しそうに見えるラースが印象に残ります。
大きな表情の変化ではありませんが、過去を知っている読者にとっては嬉しい場面です。
ラースの家族は相変わらず
ラースがシャリオルトで活躍しているという話は、彼女の家族にも届きます。
しかし、家族はラースの成功を素直に喜ぶことができません。
シャリオルトに手を出せば、自分たちの国まで危険にさらされるため、大きく動くこともできない状況です。
ところが、妹のニコラは事情を深く考えずに行動します。

表向きは「お姉ちゃんを返してほしい」という姉を心配するような要求ですが、本音は自分たちにとって便利なラースがいなくなって困っているだけに見えました。
これまでラースを大切にしてこなかったにもかかわらず、必要になった途端に取り戻そうとする。
ラースの家族の身勝手さが改めて分かる場面です。
そして、ラースを気に入り、特別な存在として扱っているゼフォンが、この要求を快く思うはずもありません。
最後はゼフォンらしい強引な対応が描かれ、続きが気になるところで9巻は終わります。
9巻を読んだ感想
9巻は、ラースの知識と交渉力が特に分かりやすく描かれた巻でした。
ニーナの行動を理由にブリュト王国を滅ぼすこともできる状況で、ラースは国を残しながらシャリオルトに利益をもたらします。
感情に任せて復讐するのではなく、相手の弱みと前世の知識を利用して、より大きな成果を得ようとするところがラースらしいです。
荒れた港や感染症など、問題は一つではありません。
それでも必要な情報を集め、利用できる人物と交渉し、一つずつ解決していきます。
すべてを自分一人で行うのではなく、相手が求める条件を理解したうえで協力させるところにも、ラースの成長を感じました。
また、前世では家族のために利用され、わずかしか得られなかったものを、今回は自分の力で手に入れます。
同じ場所や出来事でも、前世とは結果が変わっていく。
この作品のやり直し要素を楽しめる展開でした。
一方で、ラースの家族は相変わらずです。
ラースがいなくなって初めて、その能力や便利さに気づいていますが、ラース本人を大切に思っているようには見えません。
特にニコラの言動は、自分たちの都合しか考えていないように感じました。
だからこそ、ラースを特別視しているゼフォンの反応には納得できます。
ラースの活躍による爽快感と、ゼフォンとの関係の変化、そして家族への苛立ち。
9巻は、この作品の魅力がバランスよく詰まった一冊でした。
まとめ
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』9巻では、ラースたちがニーナの故郷・ブリュト王国を訪れます。
今回の主な見どころは、次のとおりです。
- ゼフォンの優しさを意識し始めるラース
- ブリュト王国を滅ぼさずに利益を得る交渉
- 荒れた港と流行り病への対応
- 前世の記憶を利用したラースの活躍
- 過去に登場した人物との再会
- ラースを取り戻そうとする家族
- ゼフォンとニコラの衝突
特に印象に残ったのは、前世では思うように手に入れられなかったものを、今回はラース自身の力で確保できたことです。
ラースが少しずつ過去を乗り越え、自分の人生と成果を取り戻しているように感じました。
最後には新たな問題も発生し、ゼフォンが思い切った行動に出ます。
ラースとゼフォンの関係が今後どう変化していくのか、そしてラースの家族が次に何をするのか。
10巻の展開も楽しみです。












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