こんにちは、くろしろです。
今回は『あくまでクジャクの話です。』3巻について紹介します。
1巻・2巻では、生物のちょっと変わった生態を人間の恋愛や行動に当てはめる展開が中心でした。
もちろん3巻でも、
- カッコウ
- ミヤコドリ
- ナミアゲハ
- カエル
- チスイコウモリ
など、さまざまな生物が登場します。
しかし3巻は、それだけではありません。
阿加埜九音の家庭事情が明らかになり、久慈先生との関係も大きく動く重要な巻になっています。
個人的には、生物の知識とこれまで謎だった九音の考え方がつながっていくところが面白かったです。
※ここから3巻の内容に触れるため、軽いネタバレを含みます。
Table of Contents
『あくまでクジャクの話です。』3巻はどんな話?
3巻の中心になるのは、阿加埜九音の家庭事情です。
これまで九音は、生物の行動を人間にも当てはめて、かなりドライに恋愛や男女関係を語ってきました。
「なぜ九音はここまで生物学的に人間を見るのか?」
3巻を読むと、その考え方に至った背景が少しずつ見えてきます。
そして重要になるのが、九音の妹である蕾夢。
蕾夢はお姉ちゃんである九音の笑っている顔を久々に見ました。その時一緒にいた久慈先生が姉を変えたんだっと思い、久慈先生とコンタクトをとります。

蕾夢は姉と母の関係を心配しており、久慈先生に相談します。
しかし、それを九音が目撃したことで事態は思わぬ方向へ。
これまで強気だった九音の違った一面が見られる巻でもあります。
生物ネタ
- カッコウ(托卵)
- ミヤコドリ(超正常刺激)
- ナミアゲハ
- チスイコウモリ
- カエル
カッコウ 九音の家庭事情と「托卵」

3巻で特に印象に残った生物がカッコウです。
カッコウといえば「托卵」。
自分の卵をほかの鳥の巣に産み、その鳥に育ててもらうことで知られています。
3巻では、この托卵が九音の家庭事情を表現する重要なキーワードとして登場します。
ここは詳しく書くと3巻最大級のネタバレになってしまうので伏せます。
ただ、
九音がなぜ生物について調べ、人間を生物学的に考えるようになったのか。
その理由につながる重要な話です。
今まで九音の生物トークを「また無茶苦茶なこと言ってるな」と笑って読んでいたので、ここで九音の過去につながってくるとは思いませんでした。
ミヤコドリ 「超正常刺激」を女性の胸で説明
一方、いつもの『あくまでクジャクの話です。』らしい生物ネタもあります。
登場するのがミヤコドリの「超正常刺激」。
簡単にいえば、本来反応する対象よりも特徴を極端に強調したものに、さらに強く反応してしまう現象です。
ミヤコドリでは、通常の卵よりも大きく誇張された模型の卵に強く反応する例が有名です。
そして九音は、これを人間に置き換えます。
題材になるのが、
2次元などで大きく強調された女性の胸。
そこにつなげるのか……。
やっぱり作者様は天才です!!!
生物学の話から人間の恋愛や性的嗜好へ強引に持っていくのは、相変わらずです。
ただ、超正常刺激そのものは実際に研究されている概念。
笑えるのに知識も増える、本作らしいエピソードでした。
ナミアゲハなど今回も生物ネタは健在
ほかにも3巻ではナミアゲハなどが登場します。
『あくまでクジャクの話です。』の面白いところは、生物の知識だけを紹介する漫画ではないところ。
生物の繁殖や行動を、
「じゃあ人間も同じでは?」
と九音が強引に人間社会へ持ち込んできます。
理屈として理解できる部分と、
「いや、それを人間に当てはめるのか」
と突っ込みたくなる部分のバランスが面白いです。
チスイコウモリ 生物にも「恩返し」はある?
チスイコウモリの話も興味深いです。
チスイコウモリでは、食物を仲間へ分け与える行動が研究されています。
過去の関係などがその後の食物分配に関係することも知られており、単純にすべての生物が「自分さえ生き残ればいい」と行動しているわけではありません。
作中では、こうした生物の助け合いを人間の「恩義」のようなものと絡めて話が進みます。
これまで繁殖や性淘汰の話が強かっただけに、こういう生物の社会性を扱うのも面白いところでした。
家出した九音が男性視聴者をカエルに例える
そして3巻では、ある出来事をきっかけに九音が家出してしまいます。
ビジネスホテルから配信していると、
「よかったらウチに泊まりなよ」
という趣旨の男性からのコメントが多数。
普通なら心配してくれているようにも見えます。
しかし九音の解釈は違います。
ここで出てくるのが、カエルなどで見られる「スニーカー」と呼ばれる繁殖戦術**です。
正面からほかのオスと競争するのではなく、別の方法で交尾の機会を得ようとする戦術。
九音は、自分が困っているタイミングで近づいてくる男性たちを、これになぞらえます。
「弱っている今ならチャンスがあると思っているのでは?」
という九音らしい解釈ですね。
せっかく心配してくれているコメントまで生物の繁殖戦略に変換してしまう。
シリアスな家出中なのに、いつもの九音が残っています。
3巻は久慈先生と九音の関係も大きく進む

そして3巻最大の見どころは、やはり久慈先生と九音です。
妹の蕾夢。
九音の母親。
九音が抱えていた過去。
久慈先生が九音について知っていくことで、これまでとは二人の関係も変わっていきます。
そして家出した九音を久慈先生が探すことに。
ここから先は、ぜひ実際に読んでほしいところです。
3巻の最後では、二人の関係を大きく動かす出来事が起こります。
1巻から九音の猛烈なアピールを見てきた人ほど、続きが気になる終わり方だと思います。
3巻を読んだ感想|九音の見方が少し変わった

3巻を読んで一番印象が変わったのは九音でした。
これまでは、
「人間だって結局は生物」
という考え方で、何でも生物学に結びつける変わった女子高生という印象が強かったです。
しかし3巻では、九音がそう考えるようになった背景が描かれます。
特にカッコウの托卵と家庭事情を結びつけたところは、本作の設定をうまく使っていると感じました。
単なる生物雑学漫画ではなく、
生物の行動を使って登場人物自身を描いている。
ここが3巻の面白いところです。
もちろんミヤコドリの超正常刺激やカエルのスニーカーなど、笑える生物ネタも健在。
生物学コメディとして楽しみながら、九音というキャラクターをさらに深く知れる巻でした。
そして何より、最後まで読むと、
「ここで終わるの?」
となるはず。
久慈先生と九音がどうなるのか。
4巻を読みたくなる終わり方になっています。













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