こんにちは、くろしろです。
今回紹介するのは、『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』1巻です。
タイトルだけを見ると、最初から強くて恐ろしい悪女が暴君と対立する物語を想像するかもしれません。
しかし、ラースは最初から悪女だったわけではありません。
むしろ家族と祖国を心から愛し、自分が冷遇されていることにも気づかないまま、献身の限りを尽くしてきた女性です。
そんなラースが、なぜ復讐と侵略を決意したのか。
1巻では、彼女が家族に利用されて命を落とし、二度目の人生で「悪女」として生き始めるまでが描かれます。
この記事では、1巻のあらすじや見どころ、実際に読んだ感想を紹介します。
※物語の展開に触れるため、軽いネタバレを含みます。
先に1巻を読んでから記事を確認したい方へ
家族に尽くしていたラースが、なぜ復讐を決意したのか。物語の始まりを1巻から確認できます。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
Table of Contents
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』1巻のあらすじ
ベリエ王国の第一王女として生まれたラース。
彼女は、自分が家族から冷遇されているとは思っていませんでした。
家族や祖国から求められれば、それに応えることが自分の役割だと信じ、ひたすら献身を続けます。
ところが、ベリエ王国とシャリオルト帝国の間で戦争が起こると、ラースは戦争の責任をすべて押しつけられてしまいます。
敵国で投獄されたラースを待っていたのは、ゼフォンの夫人や兵士たちからの残酷な扱いでした。
長い苦しみを耐え抜き、ようやく祖国へ帰ったラース。
しかし、そこで知ったのは、愛していた家族に最初から利用されていたという事実です。
信じていた家族に裏切られ、最後には処刑されたラースは、過去へと死に戻ります。
そして二度目の人生では、家族のために生きることをやめました。
自分を利用した者たちへ復讐し、ベリエ王国を侵略する。
ラースは目的を果たすため、自ら悪女になることを決意します。
家族に尽くし続けたラースの悲しい最期
1巻の序盤で印象的なのは、ラースが家族からの扱いを冷遇だと認識していないことです。
家族に愛されていないことを自覚しながら耐えていたのではありません。
自分は必要とされている。
家族や祖国のために役に立てている。
ラースは本気でそう信じていました。
ところが、戦争が始まると家族はラースにすべての責任を押しつけます。
ラースは祖国を守る存在ではなく、最初から都合よく使い捨てられる存在だったのです。
「スケープゴート」

さらに苦しいのは、敵国で過酷な扱いを受けた後、祖国へ戻れば救われると思っていたことです。
しかし、帰国したラースを待っていたのは、家族との再会を喜ぶ時間ではありませんでした。
そこで初めて、自分がどのように利用されていたのかを知ることになります。
最後まで信じていた家族に裏切られ、処刑される。
ラースが二度目の人生で復讐を選ぶのも無理はないと思える始まりでした。
詳しく描かれないからこそ怖い投獄生活
シャリオルト帝国で投獄されたラースは、ゼフォンの夫人や兵士たちから残酷な扱いを受けます。
しかし、その内容がすべて明確に描かれるわけではありません。
何をされたのか。
どれほどの苦痛を味わったのか。
直接的な描写を抑えているからこそ、読者の想像が膨らみます。
残酷な場面を細かく見せる作品とは異なり、ラースの表情や反応から過去の苦しみを感じ取らせる演出です。
個人的には、明確に描かれないことが、かえって怖さを強めているように感じました。
その後、ラースが敵へ一切容赦しなくなる理由にも説得力を与えています。
悪女として始める二度目の人生
処刑されたラースが目を覚ますと、時間は過去へ戻っていました。
一度目の人生で、自分が家族にとって便利な道具でしかなかったことを知ったラース。
今度は同じ道を歩みません。
本来であれば、妹のニコラが人質の意味を兼ねてシャリオルト帝国へ嫁ぐ予定でした。
しかし、ラースはゼフォンがいかに冷酷な皇帝であるかを家族へ説き、自分がニコラの代わりに嫁ぐと申し出ます。
表面だけを見れば、危険な皇帝から妹を守ろうとする献身的な姉です。
ところが、ラースの本当の目的は別にあります。
シャリオルト帝国へ入り込み、その力を利用して自分を裏切った家族へ復讐すること。
そして、祖国であるベリエ王国を侵略することです。
一度目の人生では、家族のために自分を犠牲にしました。
二度目の人生では、自分の目的を果たすために家族を利用する。
同じ行動に見えても、その意味は完全に変わっています。
無表情な従者・シングを選んだ理由

ラースがシャリオルト帝国へ連れていく従者として選んだのは、青髪短髪の男性・シングです。
シングは常に無表情で、周囲への関心も薄い人物です。
積極的にラースを助けようとする性格にも見えません。
それでも、ラースにはシングを選ぶ理由がありました。
前世で投獄されていたラースに、外で起こった出来事を語り聞かせてくれた人物だったからです。
シングにとっては、大きな意味のない行動だったのかもしれません。
しかし、何も知らされず閉じ込められていたラースにとって、その時間は救いになりました。
ラースは、その恩を忘れていません。
これから沈んでいくベリエ王国にシングを残さず、自分と一緒にシャリオルト帝国へ連れていく。
復讐のために悪女になると決めても、受けた恩は必ず返す。
敵には容赦しない一方で、自分に手を差し伸べた人物は見捨てないところに、ラースの本質が表れています。
最初の敵は侍女長と第4夫人エリザ
シャリオルト帝国へ嫁いだラースを待っていたのは、歓迎ではありませんでした。
最初にラースへ敵意を向けたのが、侍女長と第4夫人エリザです。
特にエリザは、前世で投獄されていたラースに罵声を浴びせ、尊厳を傷つけるような行為を繰り返していました。
二度目の人生でも、エリザはラースへ嫌がらせを仕掛けます。
しかし、以前のラースとは違います。
家族のために我慢し続けた女性は、すでにいません。
ラースは相手の嫌がらせに屈することなく、仕掛けてきた者たちを次々と返り討ちにしていきます。
何をされても黙って耐えていた前世を知っているため、ラースの反撃には強い爽快感がありました。
黒髪が洗い落とされ、本来の金髪へ

ラースは、それまで黒髪の王女として過ごしていました。
しかし、その黒髪は本来の髪色ではありません。
ベリエ王国では、金髪が王族の証です。
ラースの評判と立場を落とすため、家族は彼女の美しい金髪を黒く染めさせていました。
ラース本人は、髪色まで家族に利用されていたことに気づいていませんでした。
ところが、エリザからペンキをかけられたことをきっかけに、黒い染料が洗い落とされます。
そこに現れたのは、本来の美しい金髪を持つラースでした。
そしてラースは、金髪を隠さないままゼフォンとの食事会へ向かいます。
初めてラースの本当の姿を見たゼフォンは、普段の冷静さからは想像できない意外な表情を浮かべます。
ゼフォンがラースをどのように見たのか。
ここは作者の意図を想像するしかありません。
二人の関係がこれからどう変化するのか。
続きが気になるところで1巻は終了します。
1巻を読んだ感想
1巻を読んで最も印象に残ったのは、ラースが単純な復讐者として描かれていない点です。
彼女はもともと家族思いで、祖国のためなら自分を犠牲にできる女性でした。
その優しさと責任感を、家族から徹底的に利用されます。
だからこそ、死に戻ったラースが悪女になると決意したことにも納得できます。
ただし、復讐を決意したからといって、ラースの優しさが完全に消えたわけではありません。
前世でわずかな恩を受けたシングを救い出し、自分と一緒に連れていきます。
受けた苦しみは決して忘れない。
しかし、受けた恩も忘れない。
この両方を持っているからこそ、ラースは魅力的なのだと思います。
また、敵に対しては容赦しません。
侍女長やエリザから嫌がらせを受けても、以前のように黙って耐えることはなく、相手の思惑を上回る形で返していきます。
復讐物としての爽快感を感じながら、ラースの過去や心情にも引き込まれる1巻でした。
そして最後には、本来の金髪を取り戻したラースとゼフォンが対面します。
ラースの復讐だけでなく、冷酷な皇帝ゼフォンとの関係がどのように変化していくのかも楽しみになる終わり方です。
ラースの復讐は、ここから始まります
家族に利用された一度目の人生と、本来の金髪を取り戻した二度目の人生。ラースの表情やゼフォンの反応は、漫画本編で確認してほしい場面です。
まとめ
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』1巻では、家族と祖国へ尽くしてきたラースが裏切られ、悪女として二度目の人生を歩み始めます。
1巻の主な見どころは次のとおりです。
- 家族に利用されていることに気づかなかったラース
- 敵国での過酷な投獄生活
- 帰国後に知る家族の裏切り
- 処刑後の死に戻り
- 復讐とベリエ王国への侵略の決意
- ニコラの代わりにシャリオルトへ嫁ぐ計画
- シングへ前世の恩を返すラース
- 侍女長と第4夫人エリザへの反撃
- 黒髪から本来の金髪へ戻る場面
- ラースの姿に意外な反応を見せるゼフォン
家族を信じ続けた女性が、すべての裏切りを知って復讐者へ変わる。
1巻は、ラースがなぜ「悪女」として生きることを決めたのかが分かる重要な一冊です。
過去に苦しめられた相手をどのように追い詰めていくのか。
そして、暴君と呼ばれるゼフォンがラースへどのような感情を抱くのか。
復讐と二人の関係、どちらの続きも気になる物語でした。
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