こんにちは、くろしろです。
『あくまでクジャクの話です』5巻では、年の差がある相手を好きになることについて、生物学の視点から掘り下げていきます。
男性はなぜ年上の女性より若い女性を好む傾向があるのか。
子どもに優しい男性は、本当に女性から選ばれやすいのか。
今回も恋愛漫画でありながら、セイウチやハツカネズミの生態を使って説明してくれるため、普通の恋愛漫画とは違う面白さがありました。
この記事では、物語の重要な部分には触れず、5巻で扱われた生物学を中心に紹介します。
この記事の内容
- 5巻のネタバレを抑えたあらすじ
- 男性が若い女性を好むとされる理由
- セイウチの雄が繁殖できるまで時間がかかる理由
- ハツカネズミの雄が子どもに示す行動
- 5巻を読んだ感想
※物語の展開に関するネタバレは少なめですが、作中で扱われる生物学の内容には触れています。
Table of Contents
『あくまでクジャクの話です。』5巻のあらすじ
5巻では、年の差がある相手への恋愛感情が話題になります。
一般的には、かなり年上の女性を恋愛対象として選ぶ男性は多くありません。
阿加埜九音は、その傾向について「子孫を残しやすかった個体の性質が、世代を重ねて残ってきた結果ではないか」と、生物学の視点から説明していきます。
ここで登場するのがセイウチです。
さらにゲームセンターではハツカネズミの育児行動が話題となり、雄が子どもに優しく接する場合と、攻撃しようとする場合があることを説明します。
後半では、修学旅行の下見をするために京都へ向かうことになります。
そこで阿加埜九音の父親と出会い、彼女の家庭に関係する話も少しずつ見えてきます。
詳しい事情は、実際に5巻を読んで確認してほしい部分です。
なぜ年上の女性を好む男性は少ないのか?
作中では、男性が若い女性を選びやすいとされる理由を、進化と繁殖の関係から考えていきます。
考え方を簡単にすると、以下のようになります。
子孫を残しやすい相手を選ぶ
↓
その好みを持つ個体の遺伝子が残りやすくなる
↓
同じ傾向が世代を超えて受け継がれる
↓
集団全体で一定の傾向として現れる
若い女性を好む性質を持った男性の方が子孫を残しやすかった場合、その傾向が長い時間をかけて残ってきた可能性があるという考え方です。
反対に、子孫を残す可能性が低い相手だけを選ぶ性質は、次の世代へ伝わりにくくなります。
これが「淘汰」という考え方です。
ただし、人間の恋愛は遺伝子だけで決まるものではありません。
実際には、
- 性格
- 価値観
- 生活環境
- 経済状況
- 過去の経験
- 文化や社会制度
なども恋愛対象の選び方に影響します。
そのため、「男性は必ず若い女性を好きになる」という意味ではありません。
あくまで、集団全体に見られる傾向を進化の視点から説明したものです。
5巻の面白いところは、この少し難しい話を登場人物同士の恋愛に結びつけている点です。
セイウチの雄はなぜ繁殖まで時間がかかるのか?

セイウチは、雌より雄の方が繁殖に成功するまで時間がかかる動物です。
| セイウチ | 性成熟の目安 | 実際に繁殖しやすくなる時期 |
|---|---|---|
| 雌 | 5~6歳頃 | 個体差がある |
| 雄 | 8~10歳頃 | 15歳頃から成功しやすくなる |
雄も8~10歳頃には性成熟します。
しかし、性成熟したからといって、すぐ交尾できるわけではありません。
体格や経験で勝る年長の雄との繁殖競争に勝つ必要があるからです。
若い雄は繁殖可能な体になっていても、
- 体が十分に大きくない
- 年長の雄との競争に勝てない
- 求愛行動が十分に発達していない
といった理由で、実際には雌から選ばれにくくなります。
雄のセイウチは、体の大きさだけでなく、水中で鳴き声を出すなどの求愛行動も行います。
つまり、繁殖に必要なのは単純な若さではありません。
体の強さ+競争力+求愛能力
この3つが揃って、ようやく繁殖の機会を得やすくなります。
性成熟と実際に子孫を残せる年齢が違うところが重要です。
雄は繁殖できる体になってからも、年長の雄に勝てる状態になるまで、さらに数年かかります。
これは人間とセイウチをそのまま比較する話ではありません。
しかし、「生殖能力があること」と「異性から選ばれること」は別問題だと分かる、面白い例でした。
ハツカネズミの雄は子煩悩か攻撃的になる

ゲームセンターでは、ハツカネズミの雄が子どもに見せる行動が話題になります。
雄のハツカネズミは、子どもに対して大きく異なる反応を示すことがあります。
- 子どもの世話をする
- 子どもを攻撃する
阿加埜九音は、この違いに性経験が関係していると説明します。
交尾経験のない雄は、子どもを自分の子だと判断できません。
そのため、他の雄の子どもを排除しようとして、攻撃的な行動を取る場合があります。
一方、交尾後に一定期間が経過すると、雄の行動が攻撃から育児へ切り替わることがあります。
流れを簡単にすると、以下のようになります。
交尾経験がない
↓
目の前の子どもは競争相手と思ったりして、、、、
↓
子どもに対して攻撃的になりやすい
一方、交尾後は、
雌と交尾する
↓
接し方に余裕がある
↓
子どもへの攻撃が抑えられる
↓
育児行動を示しやすくなる
という変化が起こります。
研究でも、交尾経験のない雄のマウスは子どもへ攻撃的な行動を示しやすく、交尾や雌との同居を経験した後は、子どもを世話する行動へ変化することが報告されています。
ただし、すべてのハツカネズミが完全にこの二択へ分かれるわけではありません。
個体差や系統、飼育環境などによっても行動は変わります。
子どもに優しい男性はモテるのか?
阿加埜九音は、ハツカネズミの話から「子どもに優しい雄の方が女性から好かれる」という方向へ話を進めていきます。
恋愛相手を選ぶとき、外見や強さだけが判断材料になるわけではありません。
長期的に子育てをする相手であれば、
- 子どもを守ってくれる
- 食料や生活環境を確保できる
- 育児に参加してくれる
- 家族を見捨てない
といった能力も重要になります。
つまり、子どもに優しいことは、単なる性格の良さだけではありません。
繁殖後も子どもが生き残る可能性を高める能力として、相手から評価される可能性があります。
子どもに優しい
↓
育児へ協力してくれる可能性が高い
↓
子どもの生存率が上がる
↓
長期的な相手として選ばれやすくなる
こうして生物学の話をしながら、最終的には自分の恋愛に都合のよい結論へ持っていくところが、阿加埜九音らしくて面白かったです。
難しい説明をしているようで、結局は好きな相手へ自分をアピールしたい。
生物学と恋愛が自然につながる、本作らしい場面でした。
京都で阿加埜九音の父親と出会う

5巻後半では、修学旅行の下見として京都へ向かいます。
そこで阿加埜九音の父親と出会い、彼女の家庭について話を聞くことになります。
阿加埜九音は、普段から生物学を使って恋愛や人間関係を説明する人物です。
しかし、家族の話が加わることで、彼女の考え方や行動を別の角度から見られるようになります。
ここは詳しく説明すると5巻の大きなネタバレになるため、内容は伏せます。
これまで阿加埜九音を少し変わった生物好きの女の子として見ていた人ほど、印象が変わる可能性がある場面です。
『あくまでクジャクの話です。』5巻を読んだ感想
5巻は、年の差恋愛と育児を生物学で考える内容でした。
特に面白かったのは、同じ「年齢」を扱っていても、雌と雄では意味が違うと説明している点です。
セイウチの雄は性成熟しても、競争に勝てなければ繁殖できません。
ハツカネズミの雄は、交尾経験や時間の経過によって、子どもへの行動が変化します。
人間の恋愛と動物の生態を完全に同じものとして扱うことはできません。
それでも、
「なぜ、その好みや行動が残ったのか」
という視点で恋愛を見ると、普段とは違った面白さがあります。
また、今回は阿加埜九音の父親も登場します。
恋愛と生物学だけでなく、彼女自身を掘り下げる巻としても重要になりそうです。
5巻はこんな人におすすめ
『あくまでクジャクの話です。』5巻は、次のような人におすすめです。
- 年の差恋愛を生物学から考えてみたい人
- 動物の繁殖や育児行動に興味がある人
- 普通の恋愛漫画では物足りない人
- 阿加埜九音の家族や過去が気になる人
- ネタバレを避けながら5巻の内容を知りたい人
くろしろの評価
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 面白さ | ★★★★★ |
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
| 知識が増える | ★★★★★ |
| 恋愛とのつなげ方 | ★★★★★ |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
総合評価:4.8/5.0
最後に
『あくまでクジャクの話です。』5巻では、年の差恋愛、セイウチの繁殖競争、ハツカネズミの育児行動が扱われます。
一見すると難しそうな内容ですが、恋愛や登場人物同士の会話に落とし込まれているため、楽しみながら読むことができます。
特に、子どもに優しい男性がなぜ相手から評価される可能性があるのかを、生物学から説明する流れが印象的でした。
さらに京都では阿加埜九音の父親が登場し、彼女の家庭に関係する話も動き始めます。
物語の核心を知らずに読みたい人は、ここから先はぜひ5巻本編で確認してみてください。
今回の事で思ったことは子供を育ててるという事は自分の子供と重ねてしまうからこそ優しく出来るとこもあるなと感じました。
私のリアルでも本当にそうだなと思います。












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