今回の記事は最新刊21巻よりも先の内容も含まれます。
自分でアニメで追いたい、コミックを読みたい方は注意してください。
以下ネタバレを含みます。
『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』で、サイツとの戦いを経てアルスが向き合うのは、勝ち取った土地を誰が治めるのかという問題です。
プルレード郡とクアット郡を任される人物として名前が挙がったアルス。
しかし、リーツは反対し、ミレーユも統治の難しさを感じていました。
それでもアルスは、自分から2郡の統治を引き受けようとします。
理由は、自分が戦争に関わったからこそ、その後まで責任を持ちたいと考えたためです。
そして家臣たちが示した方針は、意外にも「まずは変えないこと」でした。
今回は「戦争の行方」と「なぜ?リーツやミレーユが2郡の統治に難色を示したかを解説します。」
※サイツ攻略と、その後の領地統治に関するネタバレを含みます。
Table of Contents
結論|アルスが目指したのは、勝利の先にある平和
- ミーシアン州北部からサイツ軍侵攻→州都
- クランが西からサイツを攻めるのを指示→北部の戦力を削ぐ作戦
- アルスは「無駄に犠牲が増える事を懸念」→飛行船で一気に州都攻めを行う
- 砦をポイントで落とし見事に州都を攻撃→サイツ撤退
- プルレード郡とクアット郡獲得
アルスの平和への思いは、戦い方だけで終わりません。
領地を手に入れた後、その土地で暮らす人たちをどう守るか。そこまで考える姿に、領主としての責任が表れています。
- 反乱
- 人材不足
- 反発
サイツの北部侵攻に対し、クランは西からの攻撃を指示

サイツがミーシアンへ北部から侵攻した際、クランがアルスに求めたのは、西から攻めて時間を稼ぐことでした。
別方向から圧力をかければ、サイツ側も対応を迫られます。
しかし、アルスは時間を稼ぐだけの戦いに疑問を持ちます。戦いを長引かせることが目的になれば、その間にも兵の命が失われるからです。
ここには、アルスが目指す平和と、目の前の命をどう守るかという問題が重なっています。
クランとアルスの考え方の違いは、クランの思惑とアルスとの関係を整理した記事でも紹介しています。
飛行船と拠点の押さえ方が、サイツ側の想定を崩した
グレンダとボロッツは、アルスの進軍には限界があると考えた
アルスたちは、飛行船を活用してプルレード郡、続いてクアット郡を制圧していきます。
それでもグレンダとボロッツは、北部での侵攻を続けました。
攻略した土地が増えれば、そこを守る兵も必要になります。進むほどに前線へ回せる兵が減り、やがてアルスはそれ以上攻められなくなる。そう踏んでいたためです。
単にアルスの攻撃を無視したのではなく、占領後の守備負担まで含めた判断だったと分かります。
アルスは重要な地点を押さえ、州都へ届く進路をつくった
しかし、アルスは相手の想定どおりには動きません。
重要な地点を押さえることで、守備に兵を割かれて進軍が止まる状況を避け、州都まで届くようにしました。
飛行船という新しい技術に、拠点の押さえ方を組み合わせたことが大きな意味を持っています。
技術が優れていても、使い方によって戦果は変わります。今回は飛行船の強さだけでなく、それを戦争の終結につなげるアルスたちの判断が見どころです。
飛行船を形にした人物については、シンの開発力とアルスの支援を紹介した記事をご覧ください。
この戦いでサイツは降り、グレンダは総督の座を降ります。
リーツは、なぜアルスの2郡統治に反対した?

戦後、プルレード郡とクアット郡を誰が治めるのかが問題になり、アルスの名前が挙がります。
ここで反対したのがリーツです。ミレーユも、統治の難しさについて同様に考えていました。
戦場で勝つことと、敵だった土地を安定して治めることは別の仕事だからです。
新しい領地では、人材を確保し、反乱に備え、住民の気持ちにも向き合わなければなりません。カナレを担当しているアルスに、さらに2郡の責任が加わることになります。
リーツの反対は、アルスの能力を疑うというより、引き受ける負担の大きさを見た判断だと感じました。
- 反乱=領主に難癖をつけて有権者を集め攻撃される事を恐れた
- 人材不足=急に拡大した領地を回す人材がいない
- 反発=今の生活が壊れる事を恐れた民の民心を失う
それでもアルスは、クランの前で2郡の統治を願い出ます。
自分が戦争に関わったからこそ、その後まで責任を持ちたい。領地が増える喜びより、戦った後に残る暮らしへ目を向けているところが、アルスらしい選択です。
統治方針は「まずは変えないこと」

そこで、トーマス・ミレーユ・リーツが示したのが、まずは変えないという方針です。
統治者が交代しても、住民が最も恐れるのは、自分たちの生活が壊れること。最初から制度や人員を大きく入れ替えれば、不安や反発につながります。
この方針は、3つの課題への対応になっています。
| 課題 | 対応の考え方 |
|---|---|
| 人材不足 | 現地の人材を続投させ、統治の仕事を維持する |
| 反乱 | 反乱を支援する有力者の存在に目を向ける |
| 民心 | 住民の暮らしを急に変えず、不安を抑える |
人材不足|すべてをアルスの家臣に置き換えない
領地が増えても、仕事を任せられる人材が急に増えるわけではありません。
そこで現地の人材を続投させれば、既存の仕事を維持しながら、新たな統治へ移れます。
才能を見つける物語である一方、今いる人をどう活かすかも重要なのだと分かる場面です。
反乱|不満だけでなく、支える有力者を見る
反乱については、支援する有力者がいなければ成り立ちにくいという見方が示されます。
住民全員を敵として警戒するのではなく、反乱を組織し、支えられる人物がいるかを考える。その視点が、統治を安定させるうえで重要になります。
民心|勝者の都合で、暮らしを壊さない
領主の交代を、住民全員が歓迎するとは限りません。
それでも、日々の暮らしが守られるなら、変化への不安は抑えられます。
私は、この「まずは変えない」という助言が印象に残りました。勝った側の理想をすぐ押しつけるのではなく、そこで暮らしてきた人の生活を出発点にしているからです。
プルレード郡とクアット郡の郡長代理は誰?
新しい2郡は、トーマスとミレーユが郡長代理として担当します。
| 地域 | 担当 |
|---|---|
| プルレード郡 | 郡長代理:トーマス・グランジオン |
| クアット郡 | 郡長代理:ミレーユ・グランジオン |
| カナレ郡 | アルス・ローベント |
| ランベルク | フジミヤ3兄弟と補佐でヴァージ |
アルスが責任を引き受けても、すべての実務を一人で行うわけではありません。信頼できる家臣に役割を任せることで、統治する範囲を広げていきます。
かつて敵だったトーマスが、今度はアルスの領地を支える立場になる点にも、関係の変化を感じます。
その経緯は、トーマスがアルスに協力する理由を解説した記事で紹介しています。
感想|戦争を終わらせた後に、アルスの目標が見える
今回、私が面白いと感じたのは、サイツを降した後も話が続くところです。
飛行船で戦況を変えるだけなら、新兵器による勝利として読めます。しかし、その後に住民の暮らしと統治の責任が描かれることで、アルスが何のために戦ったのかが伝わってきます。
戦いを長引かせず、その後の責任も引き受ける。そして、住民の生活を守るために、まずは変えない。
アルスの理想と、家臣たちの現実的な助言が組み合わさった、戦後の領地運営も楽しめる話でした。
そしてここからは更に話が動きます。戦術眼のエレノア登場!!!
ミーシアン総攻撃、アルスの今後など楽しみが沢山あります。






