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こんにちは、くろしろです。
アニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』では、マリーを虐げてきた父グレゴールと母エルヴィラの事情が、終盤で一気に明かされました。
しかし、
- 女傑サーシャとは何者だったのか
- グレゴールはなぜ母親に認められたかったのか
- エルヴィラはなぜアナスタジアだけを溺愛したのか
- マリーへの虐待は、どこから始まったのか
までは、少し分かりにくかったのではないでしょうか。
結論からいうと、シャデラン家の悲劇は、女傑サーシャの厳しい教育と伝わらなかった愛情、グレゴールの劣等感、エルヴィラの自己否定が重なったことで起きました。
もちろん、どのような過去があっても、マリーを虐げた両親の行為は正当化できません。
それでも3人の関係を知ると、なぜアナスタジアとマリーが正反対の扱いを受けたのかが見えてきます。
※ここからアニメ・漫画のネタバレを含みます。
Table of Contents
結論|シャデラン家の悲劇はサーシャから始まった
女傑サーシャは、女性の社会進出に大きな影響を与えた優秀な女性でした。
一方で、息子グレゴールに対しては非常に厳しく、領地経営等向いてないとしっかりと分かっていました。だからこそ、それをカバーできる人を嫁に出来たらと親心がありました。
グレゴールは「母親から何も期待されていない」と思い込み、強い劣等感を抱えるようになります。
そしてエルヴィラは、そんなサーシャに憧れてグレゴールと結婚しました。
ところが、サーシャから教養不足を指摘され、結婚を反対されます。
サーシャに認められたいグレゴール。
サーシャのようになりたいエルヴィラ。
二人ともサーシャを意識し続けながら、最後までその影から抜け出せませんでした。
その結果、自分たちの劣等感と自己否定を、子どもであるマリーたちへ向けてしまったのです。
相関図|サーシャ・グレゴール・エルヴィラの関係

3人の関係を簡単に整理すると、次のようになります。
- サーシャからグレゴール:厳しい教育と伝わらなかった期待
- グレゴールからサーシャ:認められたい気持ちと反発
- エルヴィラからサーシャ:強い憧れと承認欲求(理想の女性)
- サーシャからエルヴィラ:結婚への反対と教養不足の指摘
- グレゴールからエルヴィラ:母親に反発して守り、結婚を選ぶ
- グレゴールとエルヴィラから姉妹:劣等感と自己否定を投影
誰か一人だけが原因というより、3人の感情が複雑に絡み合っています。
女傑サーシャとは何者?
サーシャは、マリーとアナスタジアの祖母であり、グレゴールの母親です。
若い頃はサーシャ・ティリッヒと名乗り、「女傑のサーシャ」と呼ばれるほど有名な人物でした。
女性が教育を受け、社会で活躍することが難しかった時代に勉強を続け、16歳で軍の通訳になります。
7か国語を扱い、軍人とともに各地を巡った経歴を持つ、当時としては異例の女性です。
女性の社会進出を切り開いた人物として、偉人録にも名前と肖像が残されています。
また、若い頃のサーシャはアナスタジアと見分けがつかないほど似ていました。
アナスタジアの華やかな容姿や強気な性格、服飾職人として自分の道を選ぶ行動力は、祖母から受け継いだものなのかもしれません。
サーシャは間違いなく偉大な女性です。
しかし、個人で優秀でも家族全体が有能という訳ではない。
グレゴールはなぜ母親に認められたかった?
グレゴールは、優秀すぎる母サーシャのもとで育ちました。
サーシャは息子に領主として必要な教養を身につけさせようとしますが、その教育は非常に厳しいものでした。
グレゴールは母親の期待を理解できず、自分は何も望まれていないと思い込んでしまいます。
それでも心の中では、ずっとサーシャに認めてもらいたかったのでしょう。
大人になったグレゴールは、領主として十分な能力を身につけられませんでした。
特に外交や公文書に必要なフラリア語を扱えず、本来は自分がするべき仕事を娘のマリーに押しつけます。
ところが、マリーの働きを認めようとはしません。
マリーが優秀だと認めれば、領主である自分が娘に頼っていたことも認めなければならないからです。
グレゴールの傲慢さの裏には、優秀な母親と娘に挟まれた強い劣等感があったと考えられます。
しかし、劣等感があったとしても、娘の功績を奪い、使用人のように扱ってよい理由にはなりません。
エルヴィラはなぜサーシャに憧れた?

エルヴィラは、もともと教養や特別な才能を持つ女性ではありませんでした。
そんなエルヴィラにとって、女性でありながら社会で活躍したサーシャは、憧れそのものだったのでしょう。
エルヴィラ自身も、サーシャへ近づきたいという気持ちが、グレゴールと結婚した理由の一つだったと語っています。
ところがサーシャは、その考えを見抜いていました。
サーシャはグレゴールに、もっと賢く教養のある女性を妻にするよう求め、二人の結婚に反対します。
グレゴールは母親と激しく対立し、エルヴィラを守って結婚しました。
この出来事をきっかけに、サーシャとグレゴールの親子関係も壊れていきます。
エルヴィラは当初、サーシャへの憧れからグレゴールへ近づきました。
それでも自分を守ってくれたグレゴールを、後には心から愛するようになります。
だからこそ夫の期待に応えようとしますが、能力が追いつかず、問題から目を背けるようになりました。
エルヴィラはなぜマリーを嫌った?
エルヴィラがアナスタジアだけを溺愛した理由にも、サーシャが関係しています。
アナスタジアは、若い頃のサーシャに非常によく似ています。
美しい金髪と華やかな容姿を持つアナスタジアは、エルヴィラにとって、憧れていたサーシャを思わせる存在でした。
一方、マリーはエルヴィラと同じ赤髪を受け継いでいます。
エルヴィラは自分の赤髪を隠し、金髪に見せていました。
マリーを見るたびに、自分が隠したかった本来の姿や、サーシャから認めてもらえなかった過去を思い出したのかもしれません。更にマリーは「同じ赤髪なのにサーシャに認められてる」のを不快に感じている場面もありました。
つまりエルヴィラは、マリー本人を見ていたのではありません。
自分の嫌いな部分をマリーへ重ね、それを遠ざけようとしていたのです。
アナスタジアへの溺愛も、娘が望む人生を尊重した愛情ではありませんでした。
アナスタジアが服飾職人になることを認めず、美しい令嬢として有力者へ嫁がせようとしています。
姉を愛し、妹を嫌っていたように見えて、実際には二人ともエルヴィラの理想を押しつけられていました。
サーシャの教育は愛情だったのか?
サーシャは、マリーに厳しく接していました。
実際、サーシャから学んだことはマリーの人生を助けました。
マリーは語学や事務能力を身につけ、能力だけは誰からも評価されるような状態です。
サーシャは家族の将来を考えてひたすら「出来の良いマリー」を教育する事でシャデラン家を支えようとしました。
サーシャは正しかった部分があります。この選択が無ければ早くに潰れていましたから。
同時に、正しさだけでは家族を幸せにできなかった人物でもあります。
息子の適正(楽器)も分かっていた。それを見越してマリーに託した→それが気に食わない母という構図です。
3人に共通していた問題
サーシャ、グレゴール、エルヴィラに共通していたのは、相手に認められたい気持ちを素直に伝えられなかったことです。
サーシャは、期待を厳しい教育で示しました。
グレゴールは、母親への劣等感を傲慢さで隠しました。
エルヴィラは、サーシャへの憧れと自分への嫌悪を娘たちへ向けました。
3人とも家族を意識していたのに、感情の伝え方を間違えています。
そして大人たちが解決できなかった問題を背負わされたのが、マリーとアナスタジアでした。
過去を知れば両親の行動は理解できますが、許されることとは別です。
本作が面白いのは、単純に悪い両親を懲らしめて終わらず、なぜ家族が壊れたのかまで描いているところだと思います。
まとめ|負の連鎖を止めたのはマリーとアナスタジア
女傑サーシャとシャデラン家の関係をまとめます。
- サーシャは7か国語を扱った軍の通訳だった
- 女性の社会進出を切り開いた人物として知られている
- 息子グレゴールを厳しく教育した
- グレゴールは母親に認められたいまま大人になった
- エルヴィラはサーシャに憧れてグレゴールと結婚した
- サーシャは二人の結婚に反対した
- エルヴィラはサーシャに似たアナスタジアを溺愛した
- 自分と同じ赤髪のマリーへ自己嫌悪を向けた
- 両親の過去は、マリーへの虐待を正当化するものではない
サーシャから始まった「認められたい」という感情は、グレゴールとエルヴィラを通して姉妹へ受け継がれました。
それでもマリーとアナスタジアは、大人たちと同じ道を選びません。
マリーは愛されることを受け入れ、アナスタジアは自分が望んだ服飾職人として生き始めます。
二人が自分の気持ちを言葉にし、自分で人生を選んだことで、シャデラン家の負の連鎖はようやく止まり始めたのだと思います。












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