『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』を読んでいると、気になるのがこの疑問。
「佐々木は、田山と山田が同じ人だといつ気づくの?」
読者には分かっていても、佐々木はなかなか気づきません。
ただ、読み進めると「本当にまだ分かっていないのか?」と思う場面も出てきます。
今回は、6巻末と7巻46本目の描写を中心に、佐々木が正体を知るタイミングを整理します。
※この記事には、原作6〜7巻のネタバレが含まれます。
Table of Contents
結論|6巻末で気づいたことが示唆され、7巻46本目で認識が明確になる
6巻末では佐々木が正体を知ったことが示唆され、7巻46本目では「田山=山田」と認識していることが明確になります。
長かったですね。読者の方はいつ?とやきもきしてる方も多かったと思います。
「気づいたことが読者に示される場面」と「佐々木の考えとして確認できる場面」を分けると、分かりやすいです。
| 確認する場面 | 内容 |
|---|---|
| 6巻末 | 佐々木が正体を知ったことを示唆する締めくくり |
| 7巻46本目 | 正体について、今さらどう聞けばよいのか佐々木が悩む |
| 気づくきっかけの候補 | 上山との競争後、山田が田山との喫煙をめぐって説教する場面 |
ここで注意したいのは、7巻で佐々木が山田本人に正体を確認した、という意味ではないこと。
46本目では、佐々木自身が正体を認識している一方で、それをどう本人に切り出せばよいのか悩んでいます。
気づくきっかけは、山田の姿での説教だった?

私がきっかけとして気になったのは、川上と競争した後の場面です。
川上さんと佐々木さんは
お互い酔った状態でスーパーまでかけっこをします。
佐々木は山田と遭遇し、山田は事の顛末を聞きます。
そこで佐々木は、川上をかばおうとして、うな重に釣られたという嘘をつきます。
ところが山田にとって、それは聞き流せる説明ではありませんでした。
田山との喫煙の機会を、うな重と天秤にかけた。
そう受け取った山田は、山田の姿のまま佐々木を説教します。
山田の姿から、田山の感情が見える
私には、この場面が大きな手がかりに見えました。
普段の佐々木にとって、山田はスーパーで接客してくれる癒しの存在。
田山は、スーパーの裏で一緒に煙草を吸い、会話する相手です。
その2人を別々の存在として見ていた佐々木に対して、山田が田山との時間をめぐって強く反応する。
山田の姿なのに、田山としての気持ちが出ている。

ここで、それまで別々だった2人の印象がつながったのではないか。
これが私の解釈です。
ただし、この一件だけを根拠に「この瞬間、完全に気づいた」とまでは断定しません。
正体を知るきっかけとして読むと、自然につながる場面だと感じています。
「綺麗」と言った場面だけでは、正体を理解したとは言い切れない

佐々木は、浴衣姿の田山を綺麗だと言っています。
また、別の日には、意識がもうろうとした状態で山田にも綺麗だと伝えています。
読者としては、この2つの場面を見て、
「同じ人だと、もう分かっているのでは?」
と思いたくなります。
ただ、2人に同じような言葉を伝えたことと、同一人物だと認識したことは別です。
どちらの姿にも魅力を感じていた可能性はありますが、その時点で正体まで理解していたかは、それだけでは分かりません。
私も最初は迷いました。
だからこそ、正体に気づくタイミングを整理するときは、こうした言動だけで判断せず、6巻末と7巻の描写を合わせて見る必要があると思います。
6巻末|正体を知ったことが示唆される
6巻の最後には、相手の嘘と本当を知ってしまったことを示す言葉が置かれています。
それまでの展開と合わせると、佐々木が田山と山田の正体に気づいたことを示唆する締めくくりとして読めます。
ただ、この時点では、佐々木が本人に問いかけて答えをもらう形ではありません。
読者に「気づいたのだろう」と伝えながら、本人同士のやり取りは次へ持ち越される。
この終わり方が、続きを気にさせます。
7巻46本目|佐々木は、気づいていても聞けない
7巻46本目では、佐々木が正体について今さらどう切り出せばよいのか悩んでいます。
ここで明確になるのは、佐々木が何も分かっていない状態ではないということです。
田山が山田なのではないかと認識している。
でも、それをそのまま本人に聞けばよいとは思えない。
正体を知っても、すぐに確認できないところが印象に残りました。
正体が分かることと、関係を変えられることは違う
読者からすると、もっと早く気づいてほしいと思う場面もあります。
それでも、いざ気づくと別の難しさが出てきます。
相手が今まで隠していたことを、こちらから聞いてよいのか。
これまでのやり取りを、どう受け止めればよいのか。
私は、気づいた後に言葉が出てこない佐々木の戸惑いに、この作品らしさを感じました。
正体判明だけで話を終わらせず、その後の距離感まで描くところが面白いです。
私の感想|山田が怒る理由に、ふたりの時間の重さを感じた
今回、私が特に気になったのは、山田が怒る理由でした。
佐々木は上山をかばうために嘘をついた。
一方で、その嘘は山田にとって、田山として過ごしてきた時間を軽く扱われたように聞こえてしまう。
同じ説明でも、2人が受け取っている意味が違う。
ここが、この場面の面白さだと思います。
私には、山田の怒りが、田山として佐々木と過ごす時間を大切にしている表れに見えました。
それが山田の姿で出てしまうから、正体につながる手がかりにもなる。
単なる「変装がばれた」という話より、感情の動きから正体が見えてくるところが好きです。
正体が気になる人は、6巻から7巻の流れを確認してほしい
この展開を確認するなら、6巻末だけでなく、そこへ至る出来事と7巻46本目を続けて読むのがおすすめです。
6巻末では、正体を知ったことが示唆される。
7巻では、知ってしまった佐々木がどう振る舞えばよいのか悩む。
この2つを合わせると、気づく前後の変化が分かりやすくなります。
作品全体の評価や、どんな人におすすめかは、こちらのレビューにまとめています。
まとめ|「気づく」と「本人に確認する」は分けて考えたい
佐々木が田山の正体を知るタイミングは、次のように整理できます。
- 6巻末:正体を知ったことが示唆される
- 7巻46本目:佐々木自身の認識が明確になる
- 上山との競争後の説教:気づくきっかけになったと私は考えている
浴衣姿の田山や山田に綺麗だと伝える場面だけでは、正体を理解していたとは言い切れません。
そして、気づいたからといって、すぐ本人に聞けるわけでもない。
正体を知るまでのすれ違いと、知った後の戸惑い。
その両方が描かれるところに、私はこの作品の面白さを感じました。













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