『鑑定スキルで成り上がる』のトーマスは、バサマーク陣営でアルスたちと戦い、後にアルスへ知略を貸すことになる軍略家です。ミレーユの4歳年下の弟でもあります。
ただし、敵だったトーマスが、素直に忠誠を誓って仲間になるわけではありません。
コミック16巻では勧誘を断りますが、ミレーユとの筆談をきっかけに態度が変わります。その後、誘拐されたアルスを救うために策を立て、救出を成功させます。
協力の裏にあるのは、バサマークの仇を討つという狙い。 トーマスにとって、アルスを強くすることには意味がありました。
この記事では、トーマスがアルスに協力する理由と、姉ミレーユとの確執、父への忠誠を整理します。
※コミック12巻の過去篇、16巻の勧誘、その後に明かされる協力の意図についてネタバレを含みます。
Table of Contents
トーマスは何者?敵として登場するミレーユの弟
トーマスは、バサマーク陣営の軍略家です。当初は、アルス側にいる姉ミレーユと敵味方に分かれて対立します。
| 項目 | トーマスについて |
|---|---|
| 当初の立場 | バサマーク陣営の軍略家 |
| 姉 | ミレーユ |
| 年齢差 | ミレーユより4歳年下 |
| 父 | エドワール・グランジオン |
| 後の立場 | アルスに自分の智謀を貸す |
| 過去篇 | コミック12巻 |
| 勧誘の展開 | コミック16巻 |
トーマスの人物像を知るには、ミーシアンへの父の忠誠、姉との確執、バサマークへの思いをつなげて見ることが大切です。
【16巻】なぜアルスへの協力を考え始めた?
コミック16巻では、クランとアルスの双方がトーマスを勧誘しようとします。
しかし、トーマスは打診を断ります。
戦いが終わったからといって、すぐに相手へ仕えるつもりはありませんでした。
状況を動かしたのが、ミレーユです。
ミレーユが直接会いに行き、筆談で交渉

ミレーユはトーマスのもとを訪れ、筆談で交渉します。
声で話さないのは、クランの部下が聞き耳を立てているためです。聞かれることを避けながら、弟と交渉を進めます。
それでもトーマスは、なかなか首を縦に振りません。
ところが、ミレーユが1枚の紙を見せた瞬間に反応が変わり、「考えさせろ」と答えます。
この段階で即座に承諾したわけではありません。しかし、断り続けていたトーマスが、協力を検討するようになった転機です。
トーマスを動かしたのは、バサマークの仇を討つ可能性
この交渉の意図は、後に分かります。
クランとアルスはいずれ対立する。ならば、アルスを強くすることでバサマークの仇を討てる。 そうした見込みが、トーマスを動かしたのでした。
ここで大切なのは、将来の対立を見込んだ交渉であり、この時点ですでにクランとアルスが敵対しているわけではないことです。
アルスへの協力は、トーマスが過去を忘れた結果ではありません。
バサマークへの思いを持ち続けたまま選んだ行動なのです。
アルス誘拐で救出に貢献。「まだ死なれたら困る」
その後、アルスが誘拐された際には、トーマスが策を立て、救出を成功させます。
行動だけを見れば、アルスを助ける頼もしい協力者です。しかし、トーマスの言葉は素直な好意とは少し違います。
「まだアルスに死なれたら困る」
この言葉には、アルスに生きてもらわなければならない、トーマス側の事情が表れています。
さらに、アルスには強くなってもらうとして、自分の智謀を貸す意思を示します。
仲間になることと、忠誠を誓うことは分けて読みたい
トーマスはアルスに協力しますが、この場面では、自分の目的を持って知略を貸す人物として読むと分かりやすいです。
| 表に見える行動 | 背景にある狙い |
|---|---|
| アルス救出の策を立てる | アルスに死なれては困る |
| 自分の智謀を貸す | アルスを強くする |
| アルスに協力する | 将来、バサマークの仇を討つ可能性につなげる |
私には、この距離感がトーマスらしく感じられました。
味方になったからといって、すべてを割り切ったわけではない。敵だった頃から抱えている思いが、協力する理由にも残っているのが面白いところです。
【12巻の過去篇】ミレーユとの確執は父の最期から
トーマスとミレーユの過去篇は、コミック12巻に収録されています。
二人の父エドワール・グランジオンは、謀反の罪で処刑されることになります。
死を賜る際、エドワールは自分の子どもたちを取り立ててほしいと願い、かなわないなら殺してほしいと申し出ます。

理由は、子どもたちが自分に似ず、あまりにも優秀だったからです。取り立てられず敵に回れば、ミーシアンを脅かす存在になる。その前に命を絶つことまで求めたのでした。
トーマスは父の忠誠を重く受け止める
トーマスは、父が自分の子どもの命を差し出してでも、ミーシアンを守ろうとしたことに忠誠心を見ています。
一方、ミレーユは、処刑されるくらいなら逃げればよかったのに、馬鹿だなという趣旨の言葉を口にします。
| 人物 | 父の選択への受け止め方 |
|---|---|
| トーマス | ミーシアンへの忠誠を重く見る |
| ミレーユ | 処刑されるなら逃げればよかったと考える |
父の選択をめぐる考え方の違いが、姉弟の訣別につながります。
ミレーユの発言だけで父への愛情まで否定することはできません。ただ、トーマスにとって大切な父の忠誠を、姉は同じようには評価しなかった。ここが二人の確執を理解するポイントです。
対立していても、ミレーユは弟の思考を読める

コミック11巻では、トーマスがクランの暗殺を狙います。
ミレーユは、クランを助けるためにシャドーを向かわせることなどを提案します。弟のことを知っているからこそ、その行動を読んで対策を考えられた場面です。
分かり合えない部分があっても、相手を理解していないわけではない。 姉弟の関係が軍略にも影響しています。
12巻の対決では、ミレーユが勝利を収める一方、自身は敗北を宣言します。戦いの結果と本人の評価を分けて読むと、単純な勝ち負けでは片づけられない対決です。
そして16巻では、そのミレーユが弟との交渉を担います。
敵として思考を読み合った姉弟が、今度は筆談で将来を交渉する。このつながりも見どころです。
トーマスは目的を持ってアルスに力を貸す
トーマスがアルスに協力する流れは、次のように整理できます。
- クランとアルスからの勧誘を断る。
- ミレーユが直接訪れ、筆談で交渉する
- 1枚の紙を見て、協力を検討し始める。
- アルス誘拐の際に策を立て、救出に貢献する。
- アルスを強くするため、自分の智謀を貸す。
背景にあるのは、将来のクランとアルスの対立を見込み、バサマークの仇を討つ可能性につなげる狙いです。
トーマスは、過去の忠誠を捨てて仲間になる人物ではありません。その思いを抱えたまま、アルスへの協力を選びます。
父への想い、姉との確執、バサマークへの想い。その三つを踏まえると、トーマスの行動と言葉がより深く見えてきます。













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