【あくまでクジャクの話です】7巻の感想・あらすじ 想像力の欠如が招いた久慈先生との誤解

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こんにちは、くろしろです。

『あくまでクジャクの話です。』7巻では、修学旅行中に阿加埜九音と久慈先生の関係が大きく動きます。

母親への誤解を解こうとする久慈先生と、母親と同じ遺伝子を持つ自分まで嫌いになりそうな九音。

さらに、九音が修学旅行中に発熱。久慈先生が看病したことをきっかけに、教師としての立場を失いかねない騒動へ発展します。

今回の生物学の題材は、ヒト属と想像力です。

この記事では、騒動の結末や九音の母親に関する核心には触れず、7巻で描かれた「想像力の欠如によって事実を見誤る」というテーマを中心に紹介します。

この記事の内容

  • 九音と久慈先生が喧嘩した理由
  • 修学旅行中に起きた誤解
  • ホモ・サピエンスが持つ想像力
  • 九音の母親によって変わる状況

※7巻の内容に触れていますが、物語の核心や結末に関するネタバレは控えています。

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結論 7巻は想像力の二面性を描いた巻

7巻では、想像力が持つ二つの側面が描かれています。

人間は目の前にないものを想像し、共通の価値観を信じることで大人数と協力できるようになりました。

一方で、相手の事情を想像しないまま、目の前の情報だけで判断すると事実を見誤ることがあります。

九音は母親の事情を知らず、久慈先生は説明を省き、周囲の教師は看病中に何が起きたのかを知りません。

それぞれが一部の事実しか見ていないことによって、大きな誤解が生まれてしまいます。

京都で久慈先生を見つける阿加埜九音

京都での自由時間中、阿加埜九音は巡回している久慈先生を見つけ、そのまま付いていきます。

そこで久慈先生は、九音の父親と会ったことを話しました。

九音は母親が父親を騙したと考えていましたが、久慈先生はそうではないと誤解を解こうとします。

しかし、久慈先生は九音を傷つけないように、大人の事情に関する部分を隠して説明しました。

その結果、九音には中途半端な弁明に聞こえてしまいます。

九音は「最低だと思っていた母親が、少しマシになったから何なのか」と反発しました。

久慈先生は九音を守るために話さず、九音は説明されない部分を自分の想像で補ってしまいます。

お互いに悪意はありませんが、説明不足が原因で話はすれ違っていきました。

久慈先生に愛されなければ自分を好きになれない

九音が母親を強く嫌う理由は、母親の行動だけではありません。

九音自身にも、母親と同じ遺伝子が流れています。

母親を嫌えば嫌うほど、母親と同じ遺伝子を持つ自分まで否定することになります。

そこで九音が出した答えが、久慈先生に愛してもらうことでした。

久慈先生に愛されれば、母親から受け継いだ遺伝子を持つ自分も肯定できる。

九音の気持ちは恋愛感情だけでなく、自分を好きになるための救いにもなっていたのだと思います。

しかし、その重い気持ちをうまく伝えられないまま、九音は久慈先生の前から去ってしまいました。

喧嘩を後悔する九音が修学旅行中に倒れる

久慈先生と別れた後、九音は喧嘩してしまったことを猛烈に後悔します。

手紙を書いて自分の気持ちを説明しようとしますが、その直後、修学旅行中に熱を出して倒れてしまいました。

久慈先生も、自分の説明の組み立て方が悪かったと反省していました。

九音が誤解した原因を本人のせいにするのではなく、自分の伝え方に問題があったと考えているところは久慈先生らしいです。

久慈先生は弁明する機会を待ちながら、同じ部屋で九音を看病することになります。

看病中の事故が大きな誤解を生む

久慈先生は九音へ事情を説明しようとしますが、発熱していた九音は途中で眠ってしまいます。

久慈先生も看病を続けるうちに、部屋の椅子で眠ってしまいました。

熱が下がった九音は、眠っている久慈先生の顔を近くで見ようとします。

そこで久慈先生が無意識に九音を抱き寄せ、服装が乱れる思わぬ事故が起こりました。

久慈先生に悪意はなく、九音も事故だと理解しています。

しかし、すっかり動揺した九音は、服装を整えないまま部屋を飛び出してしまいます。

その姿を見たのが、軍城先生でした。

事情を知らない人から見れば、久慈先生が生徒と同じ部屋で問題を起こしたようにしか見えません。

実際に起きたことと、外から見える状況が大きく異なってしまいました。

想像力の欠如によって事実を見誤る

7巻の中心となるのが「想像力の欠如によって事実を見誤る」という話です。

軍城先生たちが見たのは、服装が乱れた九音と、同じ部屋にいた久慈先生です。

看病中に何が起きたのかを知らなければ、二人の説明を簡単には信じられないでしょう。

一方で、目の前の状況だけを事実だと決めつければ、本当に起きたことから遠ざかってしまいます。

これは九音と母親の関係にも当てはまります。

九音は母親の行動の一部だけを見て「父親を騙した最低な母親」という物語を作っていました。

久慈先生も、事情を隠すことが九音のためになると考えていました。

人間は情報が不足していると、無意識に自分が納得できる物語を作って空白を埋めます。

その想像が正しいとは限らないことを、7巻では複数の人間関係を通して描いていました。

ホモ・サピエンスは虚構を信じたから生き残った?

作中では、かつて複数存在したヒト属の中で、私たちホモ・サピエンスが生き残った理由として「虚構を生み出し、信じる力」が紹介されます。

人間は、目の前に存在しない物語や価値観を他者と共有できます。

共通の目的や規則を信じることによって、血縁関係のない大人数とも協力できるようになりました。

さらに、獲得した知識を集団で共有し、次の世代へ積み重ねていく「累積文化」も人類の大きな強みです。

ただし、虚構を信じる力だけが、ホモ・サピエンスの生き残った理由と確定しているわけではありません。

ネアンデルタール人にも装飾品などの象徴的な行動があった可能性があり、現生人類の生存には人口、社会的ネットワーク、技術、環境への適応力など、複数の要因が関係したと考えられています。

重要なのは、人間が想像した物語を他者と共有し、大人数で行動できることです。

想像力は人類を繁栄させる力になりましたが、間違った物語を信じれば、大きな誤解や対立も生み出します。この二面性が、7巻の騒動と見事につながっていました。

この作者様の凄い所は妙な納得感を与えてくれて話まで面白いから凄すぎると毎回思います。コミックシーモアでレビュー4.8は伊達じゃない!!!

阿加埜九音の母親によって状況が変わる

久慈先生は、教師たちから厳しく追及されることになります。

不祥事を嫌う理事長まで出てきたことで、教師としての立場も危うくなりました。

そこへ現れたのが、九音の母親です。

母親の過去の仕事と理事長との関係によって、久慈先生を取り巻く状況は大きく変わります。

母親は本当に九音が考えていたような人物なのか。

そして、なぜ理事長との面識があるのか。

ここから先は7巻の重要な部分なので、実際に読んで確認してほしいです。

7巻を読んだ感想

7巻では、九音が久慈先生へ向ける感情の重さが、これまで以上に伝わってきました。

九音にとって久慈先生は、好きな相手であると同時に、自分自身を肯定してもらうための存在でもあります。

その考え方はかなり危ういですが、母親と同じ遺伝子を持つ自分を嫌いになりたくないという気持ちは理解できます。

また、久慈先生の優しさが、説明不足という欠点につながっているのも印象的でした。

相手を傷つけないために事情を隠すことが、必ずしも相手を守るとは限りません。

看病中の事故から始まった騒動も、見えている情報だけで人を判断する危険性を表しています。

恋愛上のハプニングだけで終わらず、人間の想像力と誤解を結びつけているところが、この作品らしい面白さだなと思います。

総評 想像力は人をつなげ、同時に誤解も生む

『あくまでクジャクの話です。』7巻は、阿加埜九音と久慈先生の関係が大きく動く巻でした。

今回描かれたのは、想像力が人類を繁栄させた一方で、事実を見誤らせる原因にもなるという二面性です。

九音、久慈先生、軍城先生の誰も、最初からすべての事情を知っていたわけではありません。

一部の情報から作られた物語が、大きな誤解へ発展していきます。

そして、これまで九音から嫌われてきた母親が、初めて物語を大きく動かします。

母親の本当の事情と久慈先生の今後が気になる方には、ぜひ読んでほしい7巻です。

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